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上代文学ゼミ(大島信生教授)

万葉集って知っていますか。「教科書でみたことあるけど、あまり馴染みないなあ」という人が多いかもしれません。万葉集は全二十巻からなる現存最古の歌集です。

上代文学ゼミ(三年生)では、万葉歌の詳しい解釈とその歌の作者や作歌背景などについて調べたことを各自レジュメにまとめて発表します。

今年度は巻四、相聞の中から、一回目は一人一首ずつ、二回目は二〜三人のグループで一首ずつ担当しました。

私が担当した歌を例にその一部を説明したいと思います。担当したのは、

み崎廻(さきみ)の 荒磯(ありそ)に寄(よ)する 五百重波(いほへなみ) 立(た)ちても居(ゐ)ても 我(あ)が思(おも)へる君(きみ)(4・五六八)

という歌です。

この歌は、大宰府の長官であった大伴旅人が、大納言に任ぜられて平城京に帰るときに、大宰府の官人達が、筑前の国の蘆城(あしき)の駅家(はゆまうまや)で送別の宴をした時の一首で、筑前掾(ちくぜんのじよう)(筑前国の第三等官)、門部連(かとべのむらじ)石足(いそたり)という人の歌です。この歌の意味は、

岬の周りの 荒磯に寄せる 五百重波のように 立っても居ても絶えず わたしがお慕いしている君です(小学館、新編日本古典文学全集)

となります。上三句は「立ちて」を起こす序で、唐突のようですが、九州から平城京に帰るには、陸路と海路があり、「君」(大伴旅人)が海路を辿るものとして詠まれたと考えられています。

ところで、万葉集は、平仮名や片仮名ができる前に書かれたものなので、すべて漢字表記です。この歌も漢字の本文は、

三埼廻之 荒礒尓縁 五百重浪 立毛居毛 我念流吉美

となっています。

みさきみの ありそによする いほへなみ たちてもゐても あがおもへるきみ

テキストにしている『万葉集本文篇』(塙書房)では、このように訓がつけられています。

ところが、『校本万葉集』(写本等の本文や訓の異同を示した書)を見ていくと、例えば初句の「三埼廻之」は、本文には異同はありませんが、古くは「ミサキワノ」とか「ミサキマヒ」などの訓もあることがわかります。『時代別国語大辞典上代編』などの辞書や注釈書、その他の用例等を参考にしていくと、やはり「ミサキミノ」と読むのがよいと考えます。ちなみに「ミサキノ」の「ミ」は、まわり、めぐりという意味です。「ミサキ」は他に用例はありませんが、「伊蘇未(いそみ)」(磯の湾曲しているところ)、「渚埼未(すさきみ)」(砂浜の出ばったところ)などの用例があります。

このように、本文と訓を考え、さらに歌の解釈を検討していき、理解を深めていきます。

四年生では、卒業論文のテーマに沿った発表を行っていきます。私は、万葉集の七夕歌について調べていこうと考えているところです。

三年生 樋口智建(平成21年卒業)

 
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