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平成25年度 漢文学研究部会活動報告

津田満由

 私たち漢文研究部会は、金曜日の五限目に隔週で、松下道信先生のご指導のもと活動しています。一昨年までは中国語中級クラスと交互に活動していましたが、先生が多忙のため本年度からは漢文研究部会のみの活動となっています。

 漢文研究部会では去年から引き続き、蘇軾の文章を集めた『蘇軾文集』を読んでいます。蘇軾は北宋時代の人物で、書道・詩・画とすべてに精通していたマルチ文人です。書道を嗜んでいる方なら、蘇軾の号である蘇東坡の名の方で知っている人もいるかもしれません。そんな蘇軾の文集には、彼が深い興味を持っていた道教に関する記述があり、その個所を松下先生と丁寧に読み進めています。去年は「符陵丹砂」、「松気煉砂」といった話を中心に読みました。

 「符陵丹砂」は、爾朱という道士が、師から不思議なお告げを受け取ります。誰に話してもお告げの内容はわかりません。爾朱は疑問に思いながらも、その当時霊薬とされていた丹砂(水銀)が産出される涪州に行くという内容になっています。

 「松気煉砂」は、真宗という皇帝が護衛の兵を連れて封禅を行うために泰山に赴きます。その際に一人の兵士が古い松木の根元に、補修して塞いである場所を見つけます。兵士が持っていた武器でそこを突くと、なんと中から火の玉のようなものが飛び出してきました。実はそれは老道士が大切にしていた丹砂だったという内容です。

 このように『蘇軾文集』の道教部分には「不老長寿を求めた道士」の話が語られています。道教関係の用語が出てくる為、難解な個所がありますが、とても興味深い文章になっています。また松下先生にゆっくりと丁寧にご指導していただきながら読み進めていくので、興味のある方は是非、気軽に参加してみてください。

 また漢文研究部会では、毎年、漢文学・道教に縁のある地や博物館・美術館に出かけています。本年度は四日市にある澄懐堂美術館で開かれた「臥遊―山水に懐(おも)いを騁(は)せる―」の特別展を見に行きました。海外の美術と聞くと、フランスの画家であるモネやオランダの画家ゴッホの作品といったヨーロッパの西洋美術がすぐさま思い浮かぶかも知れません。しかし今回、漢文研究部会ではそういった西洋美術ではなく、普段私たちが目を向けない東洋美術の一つ、つまり中国美術について学ぶことを目的として、澄懐堂美術へ遠足に行くことになりました。また、日本で重視されている美術作品と中国で重視されている美術作品は微妙に異なるということに気付くことも今回の目的でした。

 澄懐堂美術は明清時代に書かれた中国書道や山水画が展示されている美術館です。澄懐堂という名は、当時美術館の所蔵品を蒐集していた山本悌二郎氏が、自宅の書斎に掲げていた、清の翁同龢の「澄懐堂横幅軸」が由来となっています。そして、この美術館の特徴の一つは、有名な文人の作品だけではなく、今ではほとんど伝わっていない無名の人物の作品も閲覧できることです。

 美術館では、たまたまこの時の来館者が私たちだけだったこともあり、学芸員の方に一つ一つの作品が作られた経緯や澄懐堂美術館の成り立ちを丁寧に、余すことなく解説して頂きました。また、特別展示のテーマである「臥遊」の意味は、「寝起きして、自分の書いた書や画を楽しむ」というその当時の文人の様子を表した言葉ということも教えて頂きました。

 美術館の後は、鈴鹿にある四川料理専門店で食事をしました。四川料理は中華料理の中でもとても辛いことで有名です。店では激辛の麻婆豆腐を頂きましたが、辛さで舌が燃えるように感じました。

 漢文研究部会では、このように和気あいあいと楽しく活動を行っています。また、それだけではなく、漢文をより深く知るために、お互いに切磋琢磨し、研究内容に取り組んでいます。先生にご指導して頂きながら、なおかつ、これほど珍しい体験や文章が読めるのは大学生の間だけだと思います。興味がある方は是非松下先生の研究室のドアをノックしてみてください。私たちと一緒に松下先生の淹れた中国茶を楽しみながら、中国の魅力ある世界を一緒に堪能しましょう。

(三年)

 
 
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